企業年金と基金の違い・意味

企業年金と基金の違いとは

企業年金と基金の違い

- 概要 -

国の公的な厚生年金に加え、企業が社員に対して年金を支給する、任意に加入する仕組みのことを「企業年金」といい、確定給付企業年金・確定拠出年金・税制適格退職年金・中小企業退職金共済制度・特定退職金共済制度・自社年金とともに、企業年金のひとつに数えられるのが「基金(正式名称:厚生年金基金)」である。

- 詳しい解説 -

企業年金とは、企業が社員に対し年金を支給する仕組みのことである。企業は、高度成長期の物価上昇に合わせた賃金値上げが出来なかったことから、退職する際に支払う退職金を作り、昭和24年に、ある大手百貨店が退職金を分割し、さらにその分の利息に相当するお金をプラスして支払う仕組みを作ったことが始まりである。種類としては、確定給付企業年金・確定拠出年金・税制適格退職年金・中小企業退職金共済制度・特定退職金共済制度・自社年金、そして昭和41年に国が認めた制度として基金が含まれる。

基金は正式名称を厚生年金基金といい、厚生労働大臣の認可により許可された、年金給付を行う仕組みのことである。この仕組みでは、国の年金給付のうち、老齢厚生年金の一部も代行している。

従来、企業が社員の老後の生活保障を手厚くするために設置した仕組みであったはずだが、バブル崩壊とともに資産運用が悪化し、現在は、利息分や原資を確保できないという企業が増え、新しい企業年金へ変更したり、既存の企業年金の解約や廃止なども相次ぎ、社会問題のひとつとなっている。