- 概要 -
飛鳥も明日香も「アスカ」と読む。「アスカ」の語源は定かではなく多数の説があるが、縁起がよく美しい文字を当てて「明日香」とし、飛ぶ鳥の明日香と歌に詠まれたことから、その枕詞である飛ぶ鳥がそのまま「飛鳥」となったとされる。
昭和31年に飛鳥村、高市村、阪合村が合併して明日香村となったことから、一般的には自治体や地名には「明日香」を、時代や地域などを指すときは「飛鳥」が使われるが、明確に区別されているわけではない。
- 詳しい解説 -
「飛鳥」も「明日香」も「アスカ」と読む。その語源は定かではないが、渡来人によって朝鮮語で安住の宿という意味の安宿(アンスク)が転訛した説や、古い朝鮮語で村を意味するスカに接頭語のアがついたという説、仏教発祥の地であるインドの王、アショカの名が転訛した説、鳥が吉兆の印とされていたことから、渡り鳥イスカという鳥の名前が転訛したという説、地形を表す言葉に由来する説など多数が伝えられている。
「アスカ」という地名に縁起よく美しい響きの漢字をあてがったのが「明日香」であるとされる。日本の歴史において、6世紀の終わり頃から約100年続いたアスカ時代は「飛鳥」と書き、古事記や日本書紀でもそのように記される。これは「飛ぶ鳥の明日香」と詠まれた枕詞に由来し、それが後に「飛ぶ鳥」と書いて「アスカ」と読むようになったためとされる。
奈良県にある日本で初めて都が置かれたとされるアスカは、飛鳥村と高市村、阪合村が昭和31年に合併し、飛鳥の字を使えないため明日香村となった。そのため一般的に、地名や自治体としては明日香を、時代や地域などを指すときは飛鳥が使われているが、法律などで明確に区別されているわけではない。