- 概要 -
大きな違いは、自然界においての成長培地である。ブナシメジは木材腐朽菌のひとつで、枯れた木などから栄養を摂取するのに対し、ホンシメジは生きた樹木に生えて成長する根生菌である。「香り松茸、味シメジ」とは緻密な肉をもち、松茸よりうまみ成分が多いホンシメジのことであり、ブナシメジは味も香りも癖がないので食べやすく、また不足しがちなビタミン類や必須アミノ酸などの栄養素も含まれ、日本では広く流通しているきのこである。
- 詳しい解説 -
「ブナシメジ」も「ホンシメジ」も同じシメジ科のきのこであるが、自然界において、ブナシメジはブナやカエデの木といった広葉樹の枯れたり倒木などの死んだ木から栄養を摂取して成長するのに対し(木材腐朽菌という)、ホンシメジは、コナラやアカマツなどの生きた樹木に生えて群生する(根生菌という)のが大きな違いである。上記の理由により、以前はホンシメジの人工栽培は難しいとされており、自然界からの採取でしか調達できなかたっため希少性が高かったが、現在はブナシメジのように菌床での人工栽培が可能になり、量は少ないが市場にも出回り始めている。
古くから伝わる「香りマツタケ、味シメジ」とは、ブナシメジのことではなく、緻密な肉をもち、マツタケよりうまみ成分が多い高級食材のホンシメジのことである。しかしまだ一般的に流通しておらず、日本で広く流通しているのは、癖がほとんどなく食べやすく、どんな料理でも合うブナシメジである。傘の部分が開きすぎず、弾力があり柄の部分もしっかりしまりがあるものが鮮度が良く、一株にまとまっているものの方が味も香りもよいとされる。