- 概要 -
1809年にスウェーデンで発足したオンブズマン制度は、行政機関を外部から監視する制度であり、オンブズマンとはその職にある者のことである。監査委員は、地方公共団体内に設置された監査を行う機関であり、その職にある者のことである。組織が外部にあるか、それとも内部にあるかの違いはあるが、市民の申告により、市民の代理として行政を監視・監査する目的では同じといえる。
- 詳しい解説 -
「オンブズマン」は、行政機関を外部から監視するために任命された者のことであり、「監査委員」は地方公共団体に設置された監査を行う機関であり、その職にある者のことである。主な違いは、設置されるのが外部であるか内部であるかだが、市民の申告などにより市民の代理として行政を監視・監査する目的では同じである。
「オンブズマン」は「Ombudsman」と書いて、代理人を意味するスウェーデン語である。1809年にスウェーデンで発足し、日本では1992年に神奈川県川崎市が初めて導入、その後、北海道や東京都多摩市など14の団体(1999年末時点)で導入されているが、国民・市民の理解を得られておらず普及は乏しい状況である。
「監査委員」は地方公共団体の長が委員を選任し、任期は4年であり、議員や検察官・警察官・収税官吏・普通地方公共団体の公安委員会委員と兼任はできない。また、任期中に夫婦や親子、兄弟姉妹の関係になった場合も失職となる。監査委員による財務や事業が適正に行われているかの監査は、地方公共団体だけではなく、地方公共団体が補助金等を出している団体の事務手続きについても可能である。