放射性物質と放射能の違い・意味

放射性物質と放射能の違いとは

放射性物質と放射能の違い

- 概要 -

放射性物質は、少数の不安定な原子が、粒子や電磁波といった放射線を放つことで安定した状態の原子に変わっていくが、その物質自体のことをいう。天然のものではウランやトリウムといった鉱石があり、人工的に作り出した人工物質にはこれらの鉱石から精製したウランやトリウムなどがそれにあたる。また、放射能とは、放射性物質が放射線を出す能力のことをいう。

- 詳しい解説 -

通常、安定した状態で原子や分子として存在している元素だが、不安定な原子も少なからずあり、粒子や電磁波を放つことによって安定した状態の原子に変わる。このときに放たれる粒子や電磁波が放射線で、放射線を出している物質自体(天然物質では、ウランやトリウムといった鉱石のこと。人工物質ではこれらの鉱石から精製し取り出したウランやトリウムなどのこと)が「放射性物質」、さらに、この「放射線物質」が放射線を出す能力のことを「放射能」という。

ちなみに、地球ができたときから常に天然の放射性物質は作られており、例えば身近なところではカリウムという元素が食品中にも含まれている。カリウムは39、40、41の3種類(同位体)あり、そのうち僅かに放射線を出しているものはカリウム40で、生わかめやホウレンソウ、干ししいたけ、魚類、牛乳などに含まれ、人体にも少量だが放射線物質は常に存在している。