- 概要 -
日本において「米」は、気候が適していたことから古くより栽培され、儀式や祭礼、また主食として大きな役割を果たしてきたイネ科の植物「稲」から採れる、ひとつひとつが小さな実のことである。コシヒカリ、ササニシキ、ひとめぼれなどなど、代表する米の種類は日本全国にある。一方、「ご飯」とは「飯」の丁寧語であり、穀物類に水を適量加えて汁気が残らないように炊くか蒸すかした食べ物のことを指す。この材料が現在では専ら「米」であることから米を炊いた物を指すが、本来は、麦などの穀物類も「ご飯」に含まれている。
- 詳しい解説 -
「ご飯」とは、本来、「米」だけではなく、麦や穀物類に水を適量加えて、汁気が残らないように炊くか蒸すかした食べ物のことを指していたが、現在では一般的に材料が「米」の場合をいうことが多い。つまり、「米」は「ご飯」になる状態の前、収穫され、調理する一歩手前の段階のことをいう。
また、「ご飯」は「御飯」と書き、高貴な人に向けて使う食事の丁寧語であったが、長く使われ続けたことで一般的に使われる語となり、米を炊いたものだけではなく、その他の食事一般についての総称として用いられるようになった。
「米」は、イネ科の植物「稲」から採れる、ひとつひとつの小さな実のことである。日本の栽培気候と適合したこと、でんぷん質を多く含み、エネルギー効率の良い炭水化物であったことから、その栄養価が知られる以前より日本人の主食として、または儀式や祭礼などに使われる神聖な穀物として、古くから親しまれてきた。語源は定かではないが、神秘的な力が「こめられた」存在として扱われていたことから「込める」や「籠める」が転じたという説や、稲穂のひとつひとつの実が小さいことを指す「小実」や「小目」が転じたという説がある。