アプリコットとあんずの違い・意味

アプリコットとあんずの違いとは

アプリコットとあんずの違い

- 概要 -

「アプリコット」と「あんず」は同じバラ科の樹木のことである。薄紅色の小さな花を春に咲かせ、夏になると淡いオレンジ色の丸みを帯びた果実を生らせる、「アプリコット」は英名であり、「あんず」は日本で使用する和名である。古くは、果実の種の中に含まれる杏仁を取り出して、薬と使用していたが、現在ではジャムやシロップ漬けなどの加工品の他、天日干しして半生や生の状態で食べられる。

- 詳しい解説 -

「アプリコット」と「あんず」は同じものを指す。「アプリコット」は英名であり、「Apricot」と書く。世界的な産地のひとつカリフォルニアを有するアメリカでは、果実を天日干ししたものの代名詞として「アプリコット」と使うほどポピュラーである。日本での呼び方が「あんず」であるが、原産地の中国から渡来した当時は、果実の種の中に入っている杏仁(キョウニン)を取り出し、咳止め薬として使用するために栽培していた。現在のように果肉を食べるようになったのは明治時代のことで、比較的新しい植物である。

春に薄紅色の花を咲かせ、夏になると丸みを帯びた果実は淡いオレンジ色に変わり、甘酸っぱい香りを漂わせる可憐なバラ科の小高木である。日本の主な産地は長野県と青森県であり、ニホンアンズやヨーロッパアンズとの交配種など、どちらかといえばジャムやシロップ漬けなどに加工して食すのに適した、酸味の強い品種が多い。それに対し、アメリカで栽培される品種はヨーロッパで改良されたもので、何よりも甘味と香りが芳醇であり生食に向いているが、雨の多い日本のような土地(梅雨)では栽培に向かない。