石器と土器の違い・意味

石器と土器の違いとは

石器と土器の違い

- 概要 -

「石器」とは石が原料の専ら道具のことで、「土器」は土(粘土)が原料の専ら器のことである。どちらも、その時代それぞれの特徴を持ち、時代を知るため、人間の進化の過程を知るための貴重な資料である。

「石器」は、約1万年前より前の旧石器時代に登場した石を打ち砕いた「打製石器」に始まり、約1万年前から紀元前4世紀頃までの縄文時代では、生きるために必要な狩猟や漁猟、調理具として使用された「磨製石器」に続く。一方「土器」は縄文文化が起源で、弥生時代には高温で薄く固く焼く技術とともに用途別の器が製作されるなど発展した。

- 詳しい解説 -

「石器」は、今より約1万年前より以前を指す旧石器時代から登場していたとされ、人類が生きるために必要で、共に歩んできた石製の道具である。

最初の出現は、「打製石器」と呼ばれる石を打ち砕いたもので、ハンドアックスと呼ばれる握槌や、鋭利な石刃、槍の先端部に付けて狩猟などを行う突頭器である。その後、約1万年前から紀元前4世紀頃までとされる縄文時代で「磨製石器」が出現し、弓矢の矢じりとして用いた石鏃(せきぞく)や、動物の皮を剥ぐのに使ったとされる石匙、漁猟の網の重りとして使用したとされる石錘(せきすい)、食料をすり潰すなど調理に使用する石皿などである。これは他の石や獣の骨で叩いたり剥がしたりした後に、さらに凹凸がなくなるように鋭く磨いたものである。

一方、「土器」の材料は土である。北海道から沖縄まで全国に広がった縄文時代の文化において、約1万2千年前(1万6千5百年前の説あり)から作られるようになり、粘土で形を作った後、焼いて固めた、専ら器として使用するためのものである。縄文時代の土器は厚手で低温で焼くことから脆いのが特徴で、その後に栄えた弥生時代は薄手のものを高温で焼き、固く赤褐色の用途に応じた形のものが作られた。