- 概要 -
軟体動物の頭足類に属する「イカ」と「タコ」の違いは、触碗の有無、吸盤の形と性質、墨の性質と用途、体の色の変化、泳ぎ方などである。
「イカ」には触碗が2本あり、それにより餌をとることができる。また、吸盤の縁は歯がついたカップ状で物を引っ掛ける、粘り気のある墨でダミーを作って逃げる、興奮した際に色を変える、漏斗から水を放出する他に胴のヒレを使って停止と前方に進むことができる。一方、「タコ」は、吸盤は筋肉質で吸い付き、サラリとした墨を散らばせて身を隠して逃げ、瞼をもつのが特徴である。
- 詳しい解説 -
軟体動物の中でも、足、頭、胴で体が構成され、頭部に直接足が生えている、オウムガイや古くはアンモナイト、そして「イカ」や「タコ」のことを‘頭足類(とうそくるい)’と呼ぶ。
「イカ」と「タコ」の違いとして一般的に挙げられるのは、イカは10本、タコは8本足ということであるが、実はイカもまた本来の足は8本である。「イカ」の残りの2本は他の8本と働きが違い、先端にヘラ形の手がついており、餌を採るための道具としての腕(触碗)である。
他の違いは、イカの吸盤は縁に歯がついたカップのような形で引っ掛けて噛み付くのに対し、タコの吸盤は筋肉質の切り株で収縮で吸い付く。墨の性質も違い、イカは粘り気のあるムコ多糖類という物質を含むことから散らばらず、敵にダミーとして目を向けさせている間に逃げ、タコはさらりとしているので煙幕のように散らしてその隙に逃げるのである。
その他にも、イカは興奮したときに体の色を変えるのに対し、タコは岩の保護色にし、体の表面を凸凹させることもできる。漏斗から水を吐き出して後方に泳ぐが、イカは胴の脇にあるヒレを動かすことにより停止したり前方向に泳ぐこともできる。また、タコには瞼があるがイカにはない。