- 概要 -
糖質を含む穀物や米、りんごなどの果物を原料として発酵させてアルコールにし、それをもとに酢酸発酵させた酸味の調味料が「酢」である。一方、同じように酸味をもつ「クエン酸」は、主に柑橘類などの果物や梅干しに含まれるものである。「酢」を構成する主な成分‘酢酸’は体内に入ると「クエン酸」に変化し、果物などから摂取した物と同じように、疲労回復やビタミンの吸収促進などの作用がある。
- 詳しい解説 -
まず「酢」とは、糖質を含む穀物や米、りんごなどの果物を原料として、アルコール発酵させた後に、そのアルコールをもとに酢酸発酵させた、酸性で酸味の調味料のことである。原料の違いにより、穀物酢、米酢、リンゴ酢、黒酢などがある。主な成分は‘酢酸’である。
一方、「クエン酸」とは、1784年にレモン果汁から発見された有機化合物で、主に柑橘類などの果物や、梅干しなどに含まれて酸味のもととなっている。「クエン酸」は、エネルギーを作るために必要な成分で、疲労した筋肉にたまった乳酸や、余分な脂肪を燃焼させるなど疲労回復効果ももつ。また、尿酸値を減少させ、酸味が唾液や胃液の分泌を促すため食欲増進させ、また消化吸収も良くなり、ビタミンB6の吸収促進などの働きもあるとされる。
ここで‘酢酸’である。酢酸は体内でクエン酸に変わるため、最終的には上記の「クエン酸」と同じ作用となる。つまり、「酢」を構成する成分の内‘酢酸’と「クエン酸」が相互関係にあるということである。