ウールとフェルトの違い・意味

ウールとフェルトの違いとは

ウールとフェルトの違い

- 概要 -

「ウール」とはアルパカやアンゴラ、ラクダの毛のことをいい、主に、メリノ種という世界各地に分布する羊の毛のことを指す。冬暖かく夏涼しく、汚れにくい、燃えにくい、天然の抗菌と消臭機能を持った繊維が特徴で、毛糸にしたり、それを編んだ製品のことも‘ウール’と総称する。一方、「フェルト」とは通常の生地のような織物ではなく、繊維を機械的に絡ませて、熱や圧力、天然樹脂などで固めた不織布のことである。高い保湿性と防火性、加工に適した生地であるのが特徴で、「ウール」で作られた「フェルト」も広く普及している。

- 詳しい解説 -

「ウール」とは、一般的にメリノ種という種類の羊の毛のことであり、もしくは、糸状に加工した毛糸や、毛糸を用いて編んだ物などのウール製品のことをいう。一方、「フェルト」とは、通常の生地のような織物ではなく、繊維を機械的に絡ませ、熱や圧力、天然樹脂などを用いて固めた不織布のことである。なお、「ウール」で作られた「フェルト」も広く普及し、使用されている。

「ウール」の原料となるメリノ種の羊は世界各地に分布しているが、その中でもスペイン・メリノを交配したオーストラリア・メリノの毛は最も白く、細く、繊維の縮れが多い為、長くて丈夫でしなやかで衣料用に最も適している。冬暖かく夏涼しく、爽やかで、汚れにくく、燃えにくく安全で、天然の抗菌と消臭機能をもった環境にやさしい繊維であるのが特徴で、羊の毛以外にはアルパカやアンゴラ、ラクダの毛を「ウール」と呼ぶこともある。

「フェルト」の起源は諸説あるが、ノアの箱舟に敷かれていたとも、モンゴルの人たちが防寒のために靴底に敷いたのが発祥ともされ、日本最古の物は正倉院や春日大社に残され、また、1804年に長崎に中国からフェルト職人を招いた歴史も残る。高い保湿性と防火性に富み、加工に適した生地であるのが特徴である。