上皇と法王の違い・意味

上皇と法王の違いとは

上皇と法王の違い

- 概要 -

「上皇」とは退位した天皇のことをいい、「法皇(王)」とは、出家した上皇のことをいう。「法皇(王)」は、本来は最上や至高という意味の‘太上’を付けた‘太上法皇’と称されるものである。「上皇」のはじまりは女帝持統天皇であるとされ、「法皇(王)」のはじまりは宇多上皇であるとされる。

- 詳しい解説 -

「上皇」とは、退位した天皇のことをいう。697年に天智天皇の第二皇女である女帝持統天皇が、孫の文武天皇に皇位を譲って「上皇」と称したのがはじまりとされる。

「法皇(王)」とは、出家した上皇のことをいう。本来は、太上法皇といい、‘太上’とは最上で、至高という意味である。平安時代初期の第59代天皇である宇多上皇が出家し、寛平法皇と称したのがはじまりとされる。

上皇が出家することで法皇や天皇に権威をもたせ、権力は上皇がもつことにより自身の政治が長続きすると考えられたことから作られた、古く、日本独特のシステムである。しかし、すべてが天皇から上皇へ、そして法皇となるわけではなく、後高倉院や広義門院といった天皇にならずに上皇になる者もいた。