- 概要 -
「黒胡椒」と「白胡椒」は、同じ、インド原産の半つる性で常緑のコショウ科の植物‘胡椒’に生る果実が原料で、その違いは、収穫時期と加工方法による。「黒胡椒」は果実が緑色の未成熟のものを用い、収穫後、山積みにして数日発酵させてから天日干しにしたもので、一方、「白胡椒」は赤く成熟したものを用い、水に数週間浸して果皮を除いてから天日干しにする。「黒胡椒」は風味にパンチがあるのが特徴で、肉料理やパスタ類などに、「白胡椒」はマリネやホワイトソースなどにアクセント程度に使用される。
- 詳しい解説 -
「黒胡椒」も「白胡椒」も同じコショウ科の植物‘胡椒’から採れる果実が原料であり、その収穫時期と加工方法により分類される。胡椒はインドが原産地で、一年中、先端が尖った卵形の葉を緑に茂らせる常緑、他の樹木などの巻き付いて生育する半つる性の植物である。香りのある小さな花を房状に付けて咲かせ、花後には3mmから6mm程度の果実を実らせる。
「黒胡椒」は、果実が緑色の未成熟のうちに収穫し、そのまま山積みにして2日から3日で発酵させてから天日干しにしたもので、表面の皮は黒褐色で縮んだ状態になる。辛みや香りが強いため、一般的にパンチを効かせたい肉料理やパスタ類などに使用する。香りが飛びやすいので、直前に粉末状に加工すると良いとされる。
「白胡椒」は、果実が赤色に成熟したら収穫し、水に1週間から2週間ほど漬けて果皮を取り除いてから天日干しにしたもので、種子のみ使用することで色が白っぽくなることから名付けられた。パンチは強くなく、ほどよい風味のためマリネやホワイトソースなどに用いられる。