- 概要 -
「チャーシュー」とは「叉焼」と書き、中国が発祥の塊の豚肉を使用し、蜂蜜や紹興酒、紅麹で紅色に仕上げ、吊って炙った料理のことである。現在、日本においてラーメンなどで普及している「チャーシュー」は専ら、醤油ダレに漬け込み、煮て作る煮豚である。一方、「ベーコン」も豚肉の塊が原料であるが、塩漬けした後、燻製したもののことをいう。
- 詳しい解説 -
「チャーシュー」とは「叉焼」と書き、中国が起源とされる豚肉を原料とした中国料理のひとつである。串焼き肉という意味の中国語「叉焼肉」に由来し、本場では、バラやももの塊の豚肉に蜂蜜や紹興酒のたれを塗り、紅麹または食紅などを塗って吊るし、炙り焼いた表面が紅色のものをいう。
しかし、日本で「チャーシュー」といえば、一般的なものはラーメンの具であるが、この「チャーシュー」は日本独自の調理法である。第二次世界大戦後、中国などから帰国した軍人により屋台からラーメンが発展したとされるが、当時軍人の間で知られていた豚肉の塊を煮込んで醤油に漬け込む煮豚が多く用いられた。ポピュラーな麺料理として普及した現在も、豚のもも肉や肩ロース、三枚肉をぐるりと巻いてタコ糸で形状を縛り止めるなどして漬け込み用のタレに付け、煮込む煮豚を専ら「チャーシュー」として使用している。
「ベーコン」は、豚の背やバラ肉を塩漬けし、燻製したものを指す。燻製の香ばしさとジューシーさを楽しむことができ、薄切りはそのまま香ばしく焼いて、厚みのあるものはポトフやスープなどに入れて、焼いて煮て蒸して何でも合う食品である。
つまり、「チャーシュー」とは本場の中国と日本では指すものが違い、本来は豚肉の塊にタレを塗り吊り炙ったものであり、日本ではタレとともに煮込む煮豚のことをいう。また、「ベーコン」は豚肉を塩漬けして燻製にしたものをいう。