世界遺産と無形文化遺産の違い・意味

世界遺産と無形文化遺産の違いとは

世界遺産と無形文化遺産の違い

- 概要 -

「世界遺産」も「無形文化遺産」も、ユネスコの条約により保護される対象のものである。「世界遺産」は、人工・自然問わず、目に見え触れられるような存在する‘物’を保護するもので、日本においては法隆寺地域の仏教建造物や姫路城、厳島神社、原爆ドーム、石見銀山遺跡とその文化的景観等が登録されている。一方、「無形文化遺産」は、文化や古くより継承される技術自体を保護するもので、日本においては歌舞伎や雅楽、小千谷縮・越後上布等、近年では和食も登録されている。

- 詳しい解説 -

「世界遺産」も「無形文化遺産」も、それぞれユネスコの条約により保護される対象のものであることは変わりなく、その違いは、保護される対象である。「世界遺産」とは、人工・自然問わず、今後も永遠に物として形が存在するものを保護することで‘普遍的価値を持つ有形・不動産の文化遺産と自然遺産’が対象となる。一方、「無形文化遺産」とは、文化や技術自体を保護することで‘無形の文化遺産’が対象となる。

1975年に正式な条約として発効された「世界遺産」は、古代エジプト文明のヌビア遺跡が、たびたび氾濫していたナイル川の整備に伴い、ダムの底に沈んでしまう危機にあったことがはじまりである。(なお、遺跡の中心であったアブ・シンベル神殿は解体後、移動された)日本においては、法隆寺地域の仏教建造物や、姫路城、白川郷・五箇山の合掌造り集落、厳島神社等々が登録されている。

「世界文化遺産」は2006年に正式な条約として発効された。日本においては、能楽や人形浄瑠璃文楽、歌舞伎、雅楽、京都祇園祭の山鉾行事、結城紬・絹織物技術など、また近年では和食や和紙等々が登録されている。