- 概要 -
「竜」も「龍」も、日本語で「りゅう」もしくは「たつ」と読み、世界各国で古くより神聖なものとして扱われてきた同一の生き物を指す。日本において主な違いは、字体である。「龍」とは、1946年に内閣府より告示された一般的に使用する当用漢字表以前に主に用いられていた漢字で‘旧字’と呼ばれ、「竜」は‘新字’の分類であるが、どちらも一般使用可能である。ただし、人名には「龍」の一画目は「一」(横棒)の漢字でしか登録ができないので注意が必要である。
- 詳しい解説 -
「竜」も「龍」も、西洋においても東洋においても、古くより崇め奉られてきた神聖な生き物であり、各国により多少のイメージの誤差はあれど同一のものを指す。また、日本において、日本語表記としてどちらも間違いではなく、読み方も「りゅう」もしくは「たつ」と読むのが一般的な漢字である。
日本語表記においての違いは、「竜」が新字であるのに対し、「龍」は旧字と呼ばれる、1946年に告示された当用漢字表以前に用いられていた漢字であることである。なお、‘当用漢字表’とは、法令や公用文書、新聞、雑誌など一般社会で生活する上で使用する漢字について、無理のない制限のもと定めたもののことで、1946年に内閣府より告示された。
また、「竜」も「龍」も人名漢字として用いることができるが、「龍」については1画目が‘一’(横棒)であるのが正式とされ人名として登録が可能であり、一般的に用いられている‘丶’(縦棒)では人名登録ができないので注意が必要である。しかしながら、通常、使用する際には、一画目が横棒のものでも縦棒のものでも同一漢字として扱われるとされる(平成17年8月3日法務省)。