マミーとミイラの違い・意味

マミーとミイラの違いとは

マミーとミイラの違い

- 概要 -

主にエジプトの遺跡などに安置されてきた、黒ずんだ人間の乾燥した遺体のことを、英語で「マミー」と呼び、日本語では「ミイラ」と呼ぶ。つまり、同じものを指している。語源はアラビア語でアスファルト等の炭化水素化合物の総称である‘瀝青’を意味する「ムンミヤ」であるが、日本語で「ミイラ」を漢字にした「木乃伊」は中国語があてられたものをそのまま用いたものである。

- 詳しい解説 -

「マミー」とは英語で「MUMMY」と書き、日本語で「ミイラ」のことを意味し、同一のもののことを指す。なお、「ミイラ」を漢字にすると「木乃伊」と書く。

語源は、アラビア語で‘瀝青’を表す‘MUUMIYAH(以後、ムンミヤ)’である。‘瀝青’とはアスファルトや石油、天然ガスなどの炭化水素化合物の総称のことであるが、十字軍の時代には病気治療のための薬として用いられていた。

十字軍のヨーロッパの兵士たちがエジプトの黒ずんだ人間の乾燥した遺体(「マミー」、「ミイラ」)を見て、その薬と同じような黒ずんだ色をしていたことから、その薬が遺体に薬品を塗りつけて変化した物として認識し、そこから黒ずんだ人間の乾燥した遺体は‘ムンミヤ’という名称だと広まっていったといわれている。

なお、漢字の「木乃伊」は、中国から日本に‘ムンミヤ’が薬として伝わった際に、中国語で書かれていたものをそのままあてたもので、当時はポルトガル語の発音で「モミー」と読まれた。詳細は不明だが、同時期に地中海の方より‘没薬’として伝わった‘ミルラ’がいつの間にか、「木乃伊」の読みとして使われるようになったとされる。(没薬とは、カンラン科のコミフォラから採取できる堅いゴム樹脂で、エジプトではミイラ製造の際の防腐剤や薫香料として用いられ、痛み止めや胃腸薬、うがい薬などにも利用された)