世界自然遺産と世界文化遺産の違い・意味

世界自然遺産と世界文化遺産の違いとは

世界自然遺産と世界文化遺産の違い

- 概要 -

1972年に開かれた第17回ユネスコ総会で採択され、1975年に発効された‘世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約’(略:世界遺産条約)で定義されているのは、「世界自然遺産」と「世界文化遺産」、「世界複合遺産」の3つである。「世界自然遺産」とは、地形と地質、生態系、自然景観、生物多様性のいずれかを要件として満たす自然に特化したもので、197件が、「世界文化遺産」は、歴史的、芸術上、研究上にも重要な建造物や遺跡、碑などを802件が、2015年現在で登録され保護されている。

- 詳しい解説 -

‘世界遺産’とは、人工・自然問わず、今後も人類共通のかけがえのない財産として永遠に形が存在するべきものを保護するもので、「自然遺産」と「文化遺産」、両方の価値をそなえている「複合遺産」の3つに分類される。1975年に正式な条約として発行され、古代エジプト文明の遺跡‘ヌビア遺跡群’が世界文化遺産としてはじめて登録された。

「世界自然遺産」とは、地形と地質、生態系、自然景観、生物多様性のいずれかを要件として満たす必要があり、日本においては‘知床(北海道・2005年)’、‘白神山地(青森県と秋田県・1993年)’、‘屋久島(鹿児島県・1993年)’、‘小笠原諸島(東京都・2011年)’が登録されている。世界においては、グレート・バリア・リーフやガラパゴス諸島などをはじめとして、日本国内を含めて197件(2015年現在)が登録されている。

「世界文化遺産」とは、歴史的にも芸術上にも、研究を進めるうえでも重要な建造物や遺跡、碑などが対象となり、日本においては姫路城(兵庫県・1993年)や法隆寺地域の仏教建造物(奈良県・1993年)、紀伊山地の霊場と参詣道(2004年)など15件が登録されている。世界においては、自由の女神像や万里の長城、タージ・マハルなどをはじめとして、日本国内を含めて802件(2015年現在)が登録されている。