- 概要 -
「GDP(Gross Domestic Product)」とは国内総生産という意味で、その指標が表すのは、国籍は関係なく、日本国内で一年間に生産されたすべての価値を総計したもののことである。一方、「GNP(Gross National Product)」とは国民総生産という意味で、その指標が表すのは国籍が日本にある者の所得を総計し、海外へ支払った所得を差し引いたもののことである。なお、現在は、「国民総所得(GNI)」の導入に伴い、「GNP」という概念はほぼ使用されていない。
- 詳しい解説 -
「GDP」とは、正式にはGross Domestic Productといい、‘国内総生産’を表す。国籍は関係なく、日本国内で一年間に生産されたすべての価値を総計したもののことをいう。つまり、日本企業が海外の支店等で生産したものは含まれない。
「GNP」とは、正式にはGross National Productといい、‘国民総生産’を表す。具体的には、海外へ出て働いている者を含めて、国籍が日本国である者の所得(賃金や配当、利子、技術料など)を総計し、海外へ支払った所得を指しい引いたもののことをいう。
どちらも、国内の経済の全体像を諸外国と比較可能な形で体系的に記録することを目的とした、国民経済計算を作成するために使用されてきたが、平成7年に、当該諸表が国連の定める国際基準(SNA)に準拠しつつ改定されて新しい93SNA版が導入され、現在は「GNP」という概念から、専ら「GNI(Gross National Income)」‘国民総所得’という概念が新たに導入され、使用されている。