入り婿と婿養子の違い・意味

入り婿と婿養子の違いとは

入り婿と婿養子の違い

- 概要 -

「入り婿」も「婿養子」も、婚姻の際に男性が配偶者側の家名や家督、金銭的な相続も含めて継承するために、配偶者側の家に入ることをいう。特に、「婿養子」とは、1947年以降の民法上は、夫が妻の親と養子縁組手続きを行うこと、もしくは手続きをして養子になった夫のことを指す。

- 詳しい解説 -

「入り婿(いりむこ)」も「婿養子(むこようし)」も、男性が配偶者側の家名や家督を継承するために配偶者側の家に入ることに違いはなく、特に「婿養子」とは、婚姻とともに(もしくは婚姻後)夫が妻の親と養子縁組をすること、もしくは養子になった夫のことを指す。現在の法律では「婿養子」という制度はなく、その法的身分もないため、婿に入った先の両親の相続の権利を発生させるには義両親との養子縁組手続きが必要となる。

婚姻時に配偶者側の氏を選択するだけでは養子という身分にはならず、養子縁組の手続きが必要である。また、養子縁組を行っていながら配偶者と離婚した際には、義両親との養子縁組を双方の合意のもと離縁届け出を出さない限り、養子関係は解消されない。

「婿養子」の制度はかつて存在しており、武士階級の家父長制的な家族制度を基にして制定された旧民法(1898年)の家制度のもとで規定されていたものである。これは、1947年に行われた日本国憲法制定や女性参政権の施行に合わせて民法も大幅に改定され、廃止された。