- 概要 -
「カレー」の発祥はインドであり、様々な香辛料を炒めて使用したサラサラなスープ状のものが一般的である。一方、日本の「カレー」は、ルウの材料に小麦粉を用いることでトロトロの食感を作り出したものが一般的であるが、これは、日本に伝来したのが本場インドからではなく、イギリスの「カレー」であったことによる。このように、ルウの形状が大きく違うほか、香辛料をたくさん使うインドの「カレー」とは風味も大きく異なっている。
- 詳しい解説 -
「カレー」の発祥はインドであり、そのインドで「カレー」といえば‘香辛料やハーブを使ったスープ状の料理’のことを指す。つまり、今日、一般的な日本の家庭で食べられている「カレー」は、インドの「カレー」とは主にルウの形状が異なる。これは、小麦粉を使用することでトロトロの形状にしているためである。またサラサラのスープ状の本場インドの「カレー」は、クミンやタマリンド、シナモン等数種類のスパイスを炒めて作られており、独特の風味があるのも特徴である。
形状や原料、ともにするする主食(ナン、インディカ米とうるち米の違い)などの違いがある「カレー」であるが、このような違いが出来た経緯は、日本に「カレー」が伝わったのがインドからではなく、イギリスからであったことによる。イギリスに持ち込まれた経緯は、1600年代に東インド会社の設立に伴い本格的にインドの植民地化を進めたことである。ビクトリア女王に献上された「カレー」はイギリス国内に広まり、そして様々なアレンジが加えられ、その中に小麦粉でトロミを付けたカレーがあったのである。その後、1870年代に日本軍により、イギリスから日本へ「カレー」が伝わり、今日に至っている。