陶器と土器の違い・意味

陶器と土器の違いとは

陶器と土器の違い

- 概要 -

「陶器」と「土器」はどちらも粘土層の土を主な原料とし、他の焼き物に比べ、実用的な器が多く、土の素朴な風合いが楽しめる焼き物である。「陶器」とは現代も残る土物の焼き物で、素焼きの後に釉薬を塗り(塗らない場合もある)、磁気よりも低い温度で焼き上げたものをいう。一方、「土器」とは一般的に、縄文時代や弥生時代といった太古の時代に作られたもので、資料的価値を持つもののことをいう。

- 詳しい解説 -

「陶器」とは現代まで残る焼き物のひとつで、粘土層の土を主な原料とすることから‘土物’とも呼ばれる。素焼きの後、釉薬を塗り(塗らない場合もある)、1100度から1200度の窯で焼き上げる。土の素朴なぬくもりと、手作業で作られるあたたかさのある風合いをもつ実用性の高い器である。日本全国各地に、土を活かした「陶器」があり、笠間焼(茨城県)や益子焼(栃木県)、唐津焼(佐賀県・長崎県)、萩焼(山口県)などが挙げられる。

一方、「土器」の材料も「陶器」と同様に粘土であるが、一般的に、考古学や歴史学といった研究において重要な資料となる焼き物のことを指す。例えば、北海道から沖縄まで全国に広がった縄文時代の文化において、約1万2千年前(1万6千5百年前の説あり)から作られるようになり、粘土で形を作った後、焼いて固めた、専ら器として使用するためのものである。縄文時代の土器は厚手で低温で焼くことから脆いのが特徴で、その後に栄えた弥生時代は薄手のものを高温で焼き、固く赤褐色の用途に応じた形のものが作られた。

どちらも粘土質の土が原料であることに違いないが、「土器」は特に資料性の高い古くに焼かれた実用的な器のことをいう。