月餅と饅頭の違い・意味

月餅と饅頭の違いとは

月餅と饅頭の違い

- 概要 -

「月餅」と「饅頭」は一般的に小豆餡を小麦粉の皮で包んだ中国起源のお菓子であるが、「月餅」はラードを加えることでねっとりとした食感にするのに対し、「饅頭」は蒸すことでふんわりとした皮とさらっとした餡子の食感を楽しめる。このように材料が違う他、「月餅」は中国の伝統的なお菓子として、「饅頭」は早くより日本に渡来して日本で発達した和菓子として親しまれている。

- 詳しい解説 -

「月餅(げっぺい)」と「饅頭(まんじゅう)」は主に小豆餡を使用した小麦粉の皮で包んだ中国が起源のお菓子であるが、大きな違いは「月餅」にはラードを加えることであり、焼くか蒸すかといった調理方法も歴史も全く違っている。

「月餅」は中国の伝統的な焼き菓子のひとつで、中国では旧暦の8月15日の中秋節に十五夜の月を眺めながら食べられる。満月の丸い姿を円満で完璧である象徴として考え、一家の大団円を望み、その日には外に出た娘も帰ってきて一緒に食べるとされる。小麦粉に砂糖、ラードを原料とした皮に、ラードと小豆の餡、松の実や胡桃、ナツメなどを細かく刻んで蜜で固めたものを包み、満月に模した円の形にして焼く。特に、中秋節の「月餅」にはアヒルの塩漬けの黄身が入っているのが特徴である。なお、中華街やコンビニなど日本では比較的安易に手に入る「月餅」であるが、中国では祭事期間を除くと特別な場所でしか置いていない。

「饅頭」は万頭や万十とも書いて、古くから日本で和菓子のひとつとして親しまれてきたものである。その発祥は中国の‘蛮頭’とされ、諸葛孔明が荒れた川を渡るために、人間の首の代わりに牛と羊肉を小麦粉の皮で包んだものを蛮神に捧げたことがはじまりとされる。日本へは、中国の元を訪れていた建仁寺の僧龍山徳見とともに林浄因(りんじょういん)が来日し奈良に住み、肉を口にしない僧のために小豆餡を入れたものを作ったのがはじめだとも、中国の宋から帰国した聖一国師によって酒麹で作る酒饅頭を福岡の茶店に教えたことがはじめだともいわれるが、はっきりとしたことは不明である。