鳥インフルエンザと人インフルエンザの違い・意味

鳥インフルエンザと人インフルエンザの違いとは

鳥インフルエンザと人インフルエンザの違い

- 概要 -

「鳥インフルエンザ」とは、主に鴨などの水鳥がインフルエンザウイルスA型に感染し、野鳥を介して鶏などの家禽類に移り、集団の中で感染を繰り返すことで新しい病原性のある変異株に変異したもののことで、通常は鳥から鳥のみの感染だが、H5N1型は濃厚な感染源となる鳥への接触により、人にも感染するとされ、その場合のウイルスを「鳥インフルエンザ」と呼ぶ。一方、「人インフルエンザ」は一般的にインフルエンザウイルスA型やB型に感染し、発症するもののことで、高熱や鼻水、咳、頭痛などの全身の諸症状が現れるものである。季節ごとに感染者が増加することから、季節性インフルエンザとも呼ばれる。

- 詳しい解説 -

「鳥インフルエンザ」も「人インフルエンザ」も原因はインフルエンザウイルスであり、「人インフルエンザ」は主にA型とB型のウイルスに感染し発病するもののことをいい、「鳥インフルエンザ」は、水鳥が感染したウイルスが野鳥を介して家禽類に広がり、病原性をもつ変異株となったもののことをいう。

インフルエンザウイルスは、A型、B型、C型の3つに分類され、A型は人や鳥、豚などの動物が感染し、B型とC型は一般的に人のみ感染する。そのうちC型は鼻水程度の軽症状であるとされる。

「人インフルエンザ」は、一般的にA型またはB型のウイルスに人が感染し発病すると、鼻水や咳、高熱、頭痛、筋肉痛などの全身に症状が出る。国や地域によって流行の起こる季節があることから‘季節性インフルエンザ’とも呼ばれるが、特にA型のウイルスには亜型もしくは株と呼ばれる変異種がいくつもあり、複数の型のウイルスが同時に感染することで遺伝子レベルにおいて構造が変化し、さらに新しい型となる。

「鳥インフルエンザ」は、主に水辺に生きるカモなどの鳥類がインフルエンザウイルスに感染し、野鳥を経由して飼育されている鶏などの家禽類が感染し、さらに集団の中で感染が繰り返されて病原性をもつ変異株となったもののことをいう。通常は鳥から鳥への感染だけだが、H5N1亜型鳥インフルエンザは、感染した鳥やその排泄物、死体、臓器などに濃厚な接触がされた場合に人へも感染することがあるとされる。東南アジアを中心に、中東やヨーロッパ、アフリカの一部などで確認されている。