印象派と写実派の違い・意味

印象派と写実派の違いとは

印象派と写実派の違い

- 概要 -

「印象派」は印象主義とも呼ばれ、「写実派」は写実主義とも呼ばれ、19世紀のフランスでそれぞれ興った絵画の描き方の違いによる派閥である。「印象派」は対象に対して形を明確に描き出すよりも、同時に包んでいる光や空気感など一瞬の与えられた印象を捉えて再現する手法のことであり、一方、「写実派」は対象を忠実に写し取る手法のことである。

- 詳しい解説 -

「印象派」とは、1872年に早朝の港を描いたモネの「印象・日の出」が名称の由来となっている。1860年代半ばにフランスで起きた絵画運動「印象主義」を担った、モネ、ドガ、ルノアールのことをいう。「印象派」の絵画とは、物の形や人物像などを明確に描きだすよりも、それらをつつむ光や空気感など一瞬の‘印象’を捉えて再現するように描く描き方である。光の画家とも呼ばれるモネ、主に都会生活とその中の人間を描いたドガ、主に裸婦像や少女像などを描いたルノアール、そして派の中心的存在で、彼らに影響を与えたとされるマネは‘印象派の父’と呼ばれている。

一方、「写実派」とは、「印象派」と同じ19世紀にフランスの画家クールベによって提唱された絵画の手法であり、それまでに興っていた空想や理想を描き出すロマン主義に反した考え方を持つ。「写実主義」とも呼ばれ、見たものを見たままに、例えば写真を撮ったように現実を正確に写し取る手法が特徴である。

つまり、「印象派」と「写実派」の違いは対象物に対する描き方である。