共産主義とマルクス主義の違い・意味

共産主義とマルクス主義の違いとは

共産主義とマルクス主義の違い

- 概要 -

「共産主義」とは、一般的に、ドイツで生まれフランスに追放され、イギリスで生涯を閉じた経済学者で思想家のカール・マルクスの思想「マルクス主義」をもとに提唱された社会制度のことである。つまり、「共産主義」は制度のことを指し、「マルクス主義」は思想のことを指すが、同様の意味合いで用いられることもある。どちらも貧富の差を憎み、私有財産を否定するものである。

- 詳しい解説 -

「共産主義」はカール・マルクスの思想「マルクス主義」をもとに理想として掲げられた社会制度のことといえ、土地や資本といった生産手段を裕福な者のみが使えると貧富の差は開き不公平であるため、社会の公共物として共有しようとする思想のことである。

しかしながら「共産主義(きょうさんしゅぎ)」の歴史は、古くは、宗教改革やルネサンス時代(14世紀から16世紀)、私有のない理想国家を描いた『太陽の都』を著書とするイタリアの司祭・思想家トマソ・カンパネラや、自由であり平等であり、戦争のない共産主義的な理想社会を架空の国を土台に描いた『ユートピア』を著書とするイギリスの法律家・思想家のトマス・モアなどに遡ることができる。

そして時は流れ、19世紀のドイツの思想家・経済学者カール・マルクスにより、イギリスで産業革命が起きたことで急激に生まれた貧富の差を憎み、私有財産を否定する思想「マルクス主義」を元にした社会制度が提唱された。それが、一般的にいう「共産主義」である。