- 概要 -
16世紀のイギリスで、ありあわせの材料を用いた料理である「プディング」が「プリン」の起源とされるが、日本における「プリン」とは、諸外国でいう「カスタードプディング」のことを指し、卵と牛乳、砂糖を混ぜたものを型に入れて湯煎または焼いて仕上げたデザートのことである。一方、17世紀後半のフランスを起源とする「ムース」は、泡立てた卵白で作ったメレンゲに生クリームを加え、ペースト状の果物等を混ぜて、ゼラチンや卵黄を使って冷やし固めたデザートのことである。どちらも、なめらかでとろけるような舌触りのデザートであるが、起源や調理方法等が異なっている。
- 詳しい解説 -
「プリン」とは日本での名称であり、英語の‘プディング(Pudding)’が語源とされる。本来の‘プディング’は16世紀イギリスを起源とするもので、パンくずや小麦粉、卵、レーズン、果実、そしてラードと塩、常備されているスパイスを加えてナプキンで包み込んで蒸し煮にした、ありあわせの材料で作った料理のことを指し、日本でいう「プリン」とは、卵と砂糖、牛乳を混ぜて裏ごしし、型に入れて湯煎もしくは焼いて仕上げた、諸外国でいうところの‘カスタードプディング’のことである。
「ムース」とは、‘泡、泡立てる’という意味のフランス語‘Mousse’が語源である。17世紀後半、宴席に同席した女性が品よく食事を口にすることができるようにと考案されたのが起源といわれている。ベースとなるのは、泡立てた卵白(メレンゲ)に生クリームを加えたもので、それに魚や肉を砕いてすり身にして加えれば料理に、ペースト状の果物やチョコレートなどを卵黄やゼラチンをつなぎにして冷やせばデザートとして用いられる。
「プリン」と「ムース」は、どちらも一般的に卵や牛乳、砂糖を使用した滑らかな舌触りが特徴のデザートであることに違いはないが、起源や調理方法等が全く異なる。