- 概要 -
「アシカ」も「アザラシ」も海を生息域とする哺乳類の一種であり、捕食するために必要なヒゲを持っているが、その泳ぎ方や歩き方、耳の形態に特徴的な異なりがある。前足を上下させて泳ぎ、地上では後ろ足で進み、特徴的な外に飛び出した小さな突起状の耳をもつ「アシカ」に対し、「アザラシ」は後ろ足を左右に動かせて泳ぎ、地上では体を這うようにして進み、突起状にはならず小さな穴状の耳を持つ。
- 詳しい解説 -
絶滅したとされるニホンアシカ、ガラパゴス諸島に生息するガラパゴスアシカや北東太平洋及び 北アメリカ大陸西岸に生息するカリフォルニアアシカなどの「アシカ」も、ゴマフアザラシやゼニガタアザラシ、アゴヒゲアザラシなどの「アザラシ」も、海中で長時間にわたる潜水を可能とする海生哺乳類の一種である。どちらも、海の暗闇の中、イカや魚といった餌を探索するために発達した頭部にヒゲをもつが、‘泳ぎ方’や‘歩き方’、そして大きく‘耳の形態’が異なっている。
まず、‘泳ぎ方’である。「アシカ」は前足を鳥が羽ばたくように上下させるのに対し、「アザラシ」は後ろ足を左右に横に動かせて泳ぐ。次に‘歩き方’では、「アシカ」は前足で体を支えて、後ろ足で進むのに対し、‘アザラシ’は足が短いため這うようにして移動を行う。最も異なるのは‘耳の形態’であるが、「アシカ」は小さな突起が外に出ているのに対し、「アザラシ」は突起はなく、小さな穴が開いているのみである。