- 概要 -
「希望退職(希望退職制度)」及び「早期退職(早期退職優遇制度)」は、どちらも定年年齢に至る前に労働者(従業員)の意思により退職するもので、両者間は合意されるが、制度の目的や概要等全く異なるものである。「希望退職」は背景に雇用量の過剰があり、企業が自主的な退職を一定の間、人数や対象者を定めた上で従業員に呼び掛けて行う。一方、「早期退職」は人事制度に則って、従業員がより有意義なセカンドライフを送る等のために事前に定年年齢前に退職することを選択しておくことである。
- 詳しい解説 -
「希望退職」とは希望退職制度のことであり、景気の悪化や経営不振などに伴い生産や販売、受注量より雇用量が多くなった場合に、企業が従業員に自主的な退職を呼び掛けて退職してもらうことをいう。企業と従業員の間には‘合意’があるため退職によるトラブルは起きず、一般的に退職者の募集人数や対象者を決めた上で、一定の期間集中して行われるものである。
「早期退職」とは早期退職優遇制度のことであり、各企業があらかじめ制定している人事制度に則って、従業員の意思で定年年齢に至る前に退職を選択しておくもののことをいう。定年年齢前に退職することで、新たな職を望む機会を早めに求めたり、セカンドライフを自由に設計する助けとして設定されるもので、企業にとっても従業員の人員バランスを保つ等のメリットをもつ。
「希望退職」も「早期退職」も、あくまでも労働者の意思によって行われる退職制度のことであるが、期間や制度の目的、対象者や人数の決め方等がそれぞれ異なる。