- 概要 -
「精神科医」と「臨床心理士」の最終的な目標は患者のこころのケアである点に違いはないが、「精神科医」は医師であるため医療行為と薬の投与が認められているのに対し、「臨床心理士」は現時点(2016年4月現在)において財団法人日本臨床心理士資格認定協会の民間資格であるため、医療行為や薬の投与は認められていない。しかしながら、独自の検査や面接をじっくりと行う手法により患者の回復を助ける職を担う「精神科医」とともに重要な仕事である。
- 詳しい解説 -
どちらも様々なこころの病、問題に対し向きあう「精神科医」と「臨床心理士」であるが、最も大きな違いは「精神科医」は医学部を卒業し、国家資格である医師免許を取得した‘医師’であるのに対し、「臨床心理士」は民間の認定資格であり、‘医師’ではない点である。そのため、医師である「精神科医」は医療行為が認められており、薬の投与が可能である。
「臨床心理士」の取得には、指定された大学院を卒業後、財団法人日本臨床心理士資格認定協会が運営する資格審査の合格が必要である。主な活躍の場が病院(これに限らない)である「精神科医」に対し、学校や企業(産業)、児童相談所などの福祉施設、医療現場、犯罪者への社会復帰援助など幅広く、医療行為は行えないが、患者であるクライアントの悩みや相談に対し、直接、解決策を提案するのではなく、検査や面接をじっくりと行い繰り返すことで、クライアントが自ら答えを導き出せるように助けていくことを目的としている。