行政罰と刑事罰の違い・意味

行政罰と刑事罰の違いとは

行政罰と刑事罰の違い

- 概要 -

「行政罰」とは、行政法上で義務付けられていることや禁止されていることに対して違反があった時に科せられる刑罰のことで、さらに‘行政刑罰’と‘行政上の秩序罰’に分けられる。一方、「刑事罰」とは、犯罪行為がそもそも道義的に、社会的に、人として、行ってはいけないことであった時に科せられる刑罰のことである。なお、「刑事罰」は犯罪行為を行った個人に対して科せられる刑罰であるのに対し、「行政罰」は法人も対象となるのが特徴である。

- 詳しい解説 -

犯罪を行った者に対する制裁、刑罰である、刑法第九条(死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収を付加刑とする)で定められた刑罰が科せられる点では「行政罰」も「刑事罰」も違いはないが、「行政罰」は行政法上で義務付けられているものや禁止されているものの違反に科せられる刑罰をいうのに対し、「刑事罰」はそもそも道義的に社会的に、人としてやってはいけない行為に対して科せられる刑罰のことをいう。犯した罪の性質の違いにより、使い分けられる。

なお、「行政罰」とは、‘行政刑罰’と‘行政上の秩序罰’の2つに分けられる。‘行政刑罰’は刑法総則(第一編第一章から第十三章)に記載されるすべての定めが原則として適用されるため、刑罰は死刑や懲役、禁固、罰金、拘留及び科料となり、一方、‘行政上の秩序罰’は刑法総則は適用されない科料が対象であるため、刑法に刑名はない。そのため、犯罪行為が‘行政上の秩序罰’に該当する場合は、非訴事件手続法に基づいて裁判所が決定することとなる。