結核と肺炎の違い・意味

結核と肺炎の違いとは

結核と肺炎の違い

- 概要 -

「結核」とは、結核菌が肺をはじめとした全身のいずれかに入りこみ、感染し、増殖することで起きる病気であるのに対し、「肺炎」とは、肺の肺胞に肺炎球菌などの細菌やウイルス、アレルギー物質などが入りこんで感染し、肺が炎症状態になることをいう。「結核」は感染が肺に限らないのが特徴である。どちらも、初期症状が咳や痰、熱が続くなどであるため風邪と間違えやすいが、長引いたり、普段と少しでも違うようであれば医療機関への早めの受診が望ましい。

- 詳しい解説 -

「結核」は結核菌が起こす病気であるのに対し、「肺炎」は細菌やウイルスをはじめとした何らかの原因が肺に入り込んで、肺が炎症状態にあることである。

「結核(けっかく)」とは、結核菌と呼ばれる細菌による感染症の総称であり、身体に入りこみ、増殖することで起こる。結核菌が肺で増殖すると‘肺結核’と呼ばれ、腎臓やリンパ節、骨、脳など肺以外で増殖すると‘肺外結核’と呼ばれる。健康であれば菌を体内に保有していても免疫で抑え込むことができるが、体力や他の病気にかかるなどして免疫機能が低下すると、再び活動をはじめ、発病する可能性がある。症状としては、咳や痰、発熱が続き、息切れや血痰、喀血(かっけつ)、体重減少、食欲不振などに及び、さらに悪化すると呼吸困難などで死に至る病である。特徴は、日本では多くが肺で発症するが、身体のどの部分でも発症する可能性がある点と、発祥した場合は結核予防法により保健所に届けが必要である点である。

「肺炎(はいえん)」とは、肺炎球菌などの細菌や、ウイルスが肺の中の肺胞と呼ばれる酸素と二酸化炭素のガス交換を行う部分に入り込んで感染し、肺が炎症を起こしている状態のことをいう。症状としては、咳や痰、38度以上の高熱などが続く。