アセロラとクランベリーの違い・意味

アセロラとクランベリーの違いとは

アセロラとクランベリーの違い

- 概要 -

どちらも完熟した赤色の小さめの果実を食用とする樹木であるが、植物学上の分類や樹形、期待される効果などまったく異なる。ビタミンCを豊富に含むことから美肌効果や風邪の予防効果が期待される「アセロラ」は、キントラノオ科の樹高3mに達する熱帯性の果樹であるが、一方、ツツジ科の主に北半球の寒い地域を好む「クランベリー」は、つる性が特徴で、果実は完熟でもかたく、それに含まれる豊富なアントシアニンによる抗酸化作用が期待される低木である。

- 詳しい解説 -

キントラノオ科に分類される「アセロラ」は、西インド諸島、南アメリカ北部から中央アメリカが原産地の、一年中光沢をもった葉を茂らせる樹高3m程度の熱帯性の果樹である。食用とするのは、2cmほどの少しデコボコとしたいびつな姿をした赤色の果実で、レモンの20から30倍ともされるほどのビタミンCのほか、葉酸、カリウムなど豊富な栄養成分が含まれている為、美肌効果や風邪の予防、貧血や動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞、高血圧の予防効果も期待される。果実の80%が果汁である等から傷みやすく注意が必要だが、爽やかな酸味を活かしたジャムやゼリー、ジュースなどに加工しても楽しまれる。

ツツジ科に分類される「クランベリー」は、日本ではツルコケモモとも呼ばれ、北アメリカが原産の一年中葉を茂らせる樹高10cmほどのつる性低木である。食用とするのは1cmほどの楕円形のかたい濃い赤色をした果実で、ビタミンCやカルシウム、カリウム等のほか、ポリフェノールの一種のアントシアニンを豊富に含むことから、抗酸化作用による感染症の予防効果が期待される。強めの酸味と若干の苦味から生食には適さず、専ら、ソースやジャム、ジュースなどに加工して楽しまれる。

「アセロラ」も「クランベリー」も、ビタミンCを豊富に含む、完熟した状態の赤い果実を食用とするが、植物学上の分類も樹形等もまったく異なる樹木である。