- 概要 -
「瓜」とはウリ科キュウリ属に分類される植物のことを一般的に呼ぶ総称であるが、特にシロウリやハヤトウリのことを指して呼ぶ。一方、「冬瓜」とはウリ科トウガン属に分類される野菜であり、保存性が高く、夏から冬まで貯蔵できることに由来して名付けられた。「瓜」は特に漬物や生食で、「冬瓜」は軽く下茹でをして煮たりスープに調理していただくのが一般的である。どちらもカリウムを多く含み、ナトリウムを排出する作用があることから、体内調節に良いとされる。
- 詳しい解説 -
「瓜(うり)」とは、ウリ科キュウリ属に分類されており、一般的に流通している‘白うり’や‘はやとうり’のことを指して呼ぶことが多い。‘白うり’は、完熟すると表皮が白色になるのが特徴の円筒形の瓜で、旬は夏場、キュウリより水分や青臭さが少なく、淡白な味をしていることから塩漬けや粕漬、奈良漬など主に漬物に加工して食用とされる。‘はやとうり’は、大正6年にアメリカから鹿児島県に導入されたもので、薩摩隼人から名付けられたものである。大きさは拳より大きいくらいのカカオ豆のような形をしており、一株から100個から200個も収穫できるのが特徴で、旬は10月から11月頃である。漬物のほか、サラダや味噌汁の具などにされる。‘白うり’より若干の苦味をもつ。
「冬瓜(とうがん)」とは、ウリ科トウガン属に分類される野菜で、冷暗所では夏から冬まで貯蔵できることに由来して名付けられた。6月から9月頃が旬で、完熟すると表皮に白色の粉(ブルーム)がふくのが一般的である(そうでない品種もある)。インドが原産地とされ、日本でも古くより栽培されてきた。カリウムが多く含まれており、高血圧予防や利尿作用によいとされる。生食では食べず、下茹でしてから煮物や中華スープなどに調理していただく。
「瓜」と「冬瓜」は植物学上全く違う植物であるが、成分としてカリウムを多く含み、どちらも高血圧や心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化を予防する効能が期待されており、旬の季節には体内に取り入れたい食材のひとつである。