- 概要 -
「オキアミ」はオキアミ科とソコオキアミ科のオキアミ類の総称として用いられるが、日本においては、干したり佃煮などに加工されて一般的にも流通しているツノナシオキアミのことを指して呼ぶことが多い。体長は2.5cmほどで北太平洋の冷たい海域に生息する。一方、「桜えび」はサクラエビ科の体長3.5cmから4.5cmほどの小型のエビの一種で、東京湾と相模灘、駿河湾、台湾のみに生息し、生食や乾物、釜揚げなどで食用とされる。両者は生物学上や生息域、見た目などが異なる海洋生物である。
- 詳しい解説 -
「オキアミ」と「桜えび」は、どちらもほどよくピンク色の肌をしており、海水に生息する点では同じであるが、生物学上の分類も、体長や生息域も見た目も全く異なっている。
「オキアミ」は、海の浅い層に生息するオキアミ科と水深1000m付近に生息するソコオキアミ科の世界中の海に分布するオキアミ類の総称として使用されることもあるが、一般的に干しエビや佃煮など加工食用として流通しているのは‘ツノナシオキアミ’である。‘ツノナシオキアミ’という名前は、頭部に本来ある額角(がっかく)と呼ばれる突起がないことに由来して付けられた。体長2.5cmほどで、北太平洋の冷たい海域で漁獲される。
「桜えび」は、体を点々と染める薄紅色が、桜の花の色彩に似ていることから名付けられた、サクラエビ科サクラエビ属に分類される、深海に生息する小型のエビの一種である。体長は3.5cmから4.5cmほどで、日本で生息しているのは東京湾や相模灘、駿河湾であるが、漁獲許可があるのは駿河湾のみである。なお、海外では台湾で漁獲される。3月下旬から6月上旬及び10月下旬から12月下旬の年2回が漁業期間で、最近では生食できるものも増えたが、干し桜えびとしてお好み焼きや、釜揚げのものなどが流通している。香り豊かで甘味をもつ。