上皇と天皇の違い・意味

上皇と天皇の違いとは

上皇と天皇の違い

- 概要 -

「上皇」とは退位した「天皇」のことをいう呼称である。「天皇」とは、日本国の象徴的存在であり、世界において日本国のみに神話の時代より存在する唯一無二の存在である。現在の日本国憲法及び皇室典範では、退位についての明確な規定はないため、今上天皇陛下が退位されることはなく、「上皇」となることはありえない。

- 詳しい解説 -

まず、「天皇」とは、日本国憲法で定められた日本国の象徴もしくは国家元首であり、世界では日本国にのみ存在する。実在したか不明であるが、日本書紀や古事記などの神話の中に登場する天照大御神の子孫である、神武天皇が紀元前660年に即位したことが起源とされ、その後、応神天皇や継体天皇が即位し(実在には諸説あり)、2016年現在は代125代の今上天皇がその在位についている。世襲制であり、天皇家に生まれた直系の男児のみが継承を許されること、国政に関する議決権を持たないことが特徴である。

「上皇」とは、退位した天皇のことをいう。697年に天智天皇の第二皇女である女帝持統天皇が、孫の文武天皇に皇位を譲って「上皇」と称したのがはじまりとされる。上皇が出家することで法皇や天皇に権威をもたせ、権力は上皇がもつことにより自身の政治が長続きすると考えられたことから作られた、古く、日本独特のシステムである。しかし、すべてが天皇から上皇へ、そして法皇となるわけではなく、後高倉院や広義門院といった天皇にならずに上皇になる者もいた。

現在の日本国憲法及び皇室典範では、退位について明確な規定はなく、「上皇」になることはありえない。