地蔵と羅漢の違い・意味

地蔵と羅漢の違いとは

地蔵と羅漢の違い

- 概要 -

「地蔵」は正式には地蔵菩薩のことをいい、「羅漢」は阿羅漢のことをいう。「地蔵」は、すべての生き物や、特に弱い立場にある者を救うとされることから、古くより民にとって身近で親しまれてきた菩薩であるのに対し、「羅漢」は、自らの修行を極めて悟りを開いた尊い存在であることから、民の信仰の中心となるような存在である。

- 詳しい解説 -

「地蔵(じぞう)」とは正式には‘地蔵菩薩’であり、袈裟をまとい、右手に錫杖を、左手に宝珠をもつ僧の姿をしている。弱い立場にある者などすべての生き物を救うとされ、古くより親しまれてきた菩薩である。民の生活を見守るように道端や辻などに祀られていることが多いのが特徴で、お地蔵さまや地蔵尊などと呼ばれ、特に、関西では、地蔵盆と呼ばれる子どもが主役のお祭りが旧暦の7月24日に開かれる。

一方、「羅漢(らかん)」とは正式には‘阿羅漢’であり、袈裟をまとい、剃髪(ていはつ)した僧の姿をしている。釈迦がなくなった後に仏教を指導した、釈迦の弟子の中でも特に優れた十人の弟子‘高弟(こうてい)’をモデルにしたもので、自らの修行を極めた尊い存在(悟りを開いた者)を指し、民の信仰の中心ともなっていった。羅漢を多数まとめて、十六羅漢や五百羅漢、十八羅漢などもこのひとつである。

「地蔵」と「羅漢」では、それぞれ成り立ちもお姿も異なる仏であり、「地蔵」は特に民の中でもこどもや弱い立場の者を見守るとされるのに対し、「羅漢」は民の信仰の中心となる存在である。