インドネシアとマレーシアの違い・意味

インドネシアとマレーシアの違いとは

インドネシアとマレーシアの違い

- 概要 -

互いにアジア南東部に位置し、多数の島を含める国、「インドネシア」と「マレーシア」であるが、国の元首となる大統領または国王の選出方法や、宗教の捉え方等まったく異なる国である。「インドネシア」は現在(2014年時点)、国民の有権者により行われる直接大統領選挙により大統領が選出され、イスラム教が最も多いものの、国が認めた至高の存在を求める宗教(キリスト教や仏教、ヒンズー教など)を信じることが国民の義務となっている。一方、「マレーシア」は各州のスルタンが輪番で国王となり、イスラム教が国教として定められているのが特徴である。

- 詳しい解説 -

「インドネシア」は、ジャカルタに首都を置き、正式には‘インドネシア共和国’であり、大統領が統治する国である。日本の約5倍の土地面積をもつ、世界最大数の島々をまとめる国(約17000以上の島からなる)で、国民は大多数がマレー系で、約9割弱がイスラム教徒である。大統領は有権者の民(2014年時点で約1億9千万人)が選出した直接大統領選挙と呼ばれる選挙で選ばれ、5年任期で再選は2回まで許される。なお、「インドネシア」とは、東インドの島々という意味のギリシア語‘インドス’と‘ネソス’に由来する。

「マレーシア」は、クアラルンプールに首都を置き、日本の9割ほどの土地面積(マレー半島とボルネオ島の一部のサバサラワク州)をもつ。元首となるのは国王で、スルタン(スルターン)と呼ばれる州の君主(ペナン、マラッカ、サバ、サラワク州以外)が5年ごとに輪番制で国王を選出する。また、国民は約7割弱がマレー系で、中国系、インド系、その他の民族が分布するイスラム教を国教と定めた他民族国家である。なお、「マレーシア」とは、サンスクリット語で山脈のある土地を意味する‘ムラユ’から、または、スマトラ島東岸、マレー半島、ボルネオ島沿岸に住む民族の古くからの呼称‘ムラユ’に由来するという説に、ギリシア語で国を意味する‘ia’を付けたものとされる。

アジア南東部に位置する「インドネシア」と「マレーシア」は、どちらもイスラム教が主体の国であるが、「マレーシア」はイスラム教が国教となっているのに対し、「インドネシア」はイスラム教を含め、国が定めた至高の存在を求める宗教を信じることを国民の義務としている。