- 概要 -
「コーラン」とはクルアーンとも呼ばれ、預言者ムハンマドによりアラビア語で書かれたイスラム教の聖典である。一方、「聖書」は旧約聖書と新約聖書から成るキリスト教の聖典であり、モーセやダビデなど約40人によって66冊にわたり書かれたものである。どちらも唯一の神からの御言葉を書き記したものであり、登場する人物も同じ人物が存在するが、御言葉としての伝え方などが異なる。
- 詳しい解説 -
「コーラン」とは、クルアーンとも呼ばれ、預言者ムハンマドによって書かれたイスラム教の聖典のことをいい、神(イスラム教の唯一神はアッラー)が天使カブリエルを通して伝えた啓示を114章にわたって書きまとめたものである。読誦(どくじゅ)という声に出して読むことを意味しており、アラビア語ではない言語で書かれたものは「コーラン」として認められない。また、キリスト教やユダヤ教の聖典である聖書と同じ説話の登場人物について述べられているが、物語はすでに知っているとした上で、むしろその教訓や意義について述べられている。内容は物語の順ではなく、長い章から先に配置されている。
「聖書」とは、密接に関わり合った旧約聖書と新約聖書に分けられるが、モーセやダビデ、イザヤ、ルカ、マタイ、イエスを知っていた者や直接言葉を得た者など約40人の著者が66冊にわたって書き記したキリスト教の聖典であり、神からの御言葉である。天地創造から最後の裁き、新しい世界の創造など、内容は物語の順に記される。
どちらも唯一神からの御言葉が書き記された聖典であり、同じ登場人物が存在することで関わりがあるとされるが、啓示を受けた人物や、伝え方などが異なる。しかしながら、イスラム教やキリスト教にとって信じるものであることに違いはない。