起訴猶予と不起訴の違い・意味

起訴猶予と不起訴の違いとは

起訴猶予と不起訴の違い

- 概要 -

犯罪を犯したと疑われている人‘被疑者’に対して刑罰の審判を裁判所に求める権利‘起訴’を唯一もつ検察官が、それぞれの理由により‘起訴’をしない場合に「不起訴」と呼ぶ。有罪の証明が可能であるものの、犯罪を行った被疑者の境遇や犯罪の重さ、示談が成立しているなどの理由により「不起訴」とすることを「起訴猶予」と呼ぶ。

- 詳しい解説 -

まず、‘起訴’とは、原則、検察官だけがもつ権利である。傷害や窃盗などの刑事事件において、犯罪を犯したと疑われている人(被疑者)の刑罰の審判を裁判所に求めることで、‘起訴’されると被疑者は被告人と呼ばれるようになる。ただし、刑罰が確定しているわけではないので、犯罪者として扱われない。これに相当しないと検察官が判断することを「不起訴」という。「不起訴」になった場合、前科がつかないのが特徴である。

この「不起訴」には、理由に応じて‘嫌疑なし’と‘嫌疑不十分’、そして「起訴猶予」の3種類がある。「起訴猶予」とは、有罪の証明が可能であるものの、犯罪を行った被疑者の境遇や犯罪の重さ、犯罪後示談が成立している等の状況により検察官の裁量で不起訴となったことを意味する。

つまり、検察官が「不起訴」を判断した中で、犯罪が有罪であると証明できるものの総合的に判断して「不起訴」とした際に用いる。なお、‘嫌疑なし’は捜査の結果、疑いが晴れたことを意味し、‘嫌疑不十分’は、疑いが完全には晴れないが裁判で有罪の証明が困難だと判断されたことを意味する。